ターコイズブルーの美しい入り江。無数に浮かんでいるのは牡蠣の養殖筏のようです。本を手に取って最初に目が惹き付けられたのはこのカバー写真でした。
ここは近江さんの故郷である宮城県石巻市、牡鹿半島の萩浜湾。撮影されたのは大震災前の2008年12月だそう。
郷土の復興に何かをしたい、そんな思いを強く感じ、思わず涙ぐんでしましました。
果たして第一章は、高校2年生の近江青年が参加した洞窟遺跡の発掘現場から説き起こされます。
出土品の骨角器や太刀などからは、太平洋岸を南北に広くつなぐ海上交通ルートの存在が明らかに。
この太平洋ルートこそが本書のテーマで、近江さんは200頁余りを費やして郷土石巻を起点に太平洋岸の古代における交流史を浮かび上がらせました。
これ以上の拙い書評は差し控えますが弥生~平安時代の古代交通に興味のある方はもちろん、これから郷土の歴史を紐解いてみよういう方にもお勧めします。
郷土愛が行間に溢れ、爽やかな読後感がある好著です。
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