在宅探索の楽しみ

大和国の古代道路を仮想探索! ③下ツ道の直線区間は歴代日本一?

平城京の羅城門から真っ直ぐ南に下る正方位計画道路が下ツ道です。発掘調査などで明らかになった直線区間は、橿原市の丸山古墳に突き当たるまで約19kmに渡り、都城内の朱雀大路を加えれば実に約23kmにも達します。

ところで現在、国道で日本一の直線区間はどこにあるかご存知ですか?

北海道の国道12号線で、美唄市光珠内町から滝川市新町6丁目までの約29km区間だそうです(国土交通省サイトによる)。北海道以外ではこれほどの長距離区間はないそうですから、下ツ道は時代を超えた国内最長級の直線道といえそうです。

発掘調査の結果、道幅は約23mあったと考えられています。
空港滑走路並みの朱雀大路からは1/3に狭まりますが、それでも旧一級国道並みの広さがあります。
八条北遺跡の遺構でそのサイズをイメージ下さい。

下ツ道(八条北遺跡)
奈良県立橿原考古学研究所 2011年「大和郡山ジャンクション発掘調査現地説明会資料」より
八条北遺跡模式図
奈良県立橿原考古学研究所 2011年「大和郡山ジャンクション発掘調査現地説明会資料」より

東側側溝がアンバランスに大きいのが気になりますが、地形の傾斜(横断勾配)により、東側に水が偏って溜まり易いための設計と見られているそうです。

さて、お待ちかね!(笑) 地表に痕跡はどの程度残っているのでしょうか?

今回、古代の土地区画制度「条理プラン」で、道路敷地にあたる条理余剰帯(道代)を手がかりに探ってみました。1974年の航空写真をベースに、残る一町(約109m)方格の区割線を丹念にトレースすると、幅30m弱の余剰帯が確かに存在しました。

余剰帯のラインは、奈良県遺跡地図webの下ツ道想定ルートともピッタリ一致します。Googleマップに落としてみますと、現在でも現道の脇などに痕跡と見られる帯状地割が多数存在しています。佐保川、寺川の河道となっている区間もありますね。

さすがに凹道は見当たりませんが、秋になったら歩いてみたいなぁ・・・

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