なぜこの針路なのか? なぜここを通るのか?… 古代の設計者たちの意図を伺い知ることは困難ですが、ヒントがあることもあります。例えば、駅路が作られる前から存在した古墳群です。
太田市の想定ルートのすぐ脇に、地元では知られた古墳が並んでいます。Googleマップで位置関係をご覧下さい。
西から見ますと、まずは、松尾神社古墳。全長109mの前方後円墳である墳丘自体はほとんど残っていませんが、神社前の現道が見事に、ルートに重なります。
次に、鶴山古墳。全長102mの前方後円墳の北にある農道が、やはりルート上です。
最後は、亀山古墳。全長58mの前方後円墳で、菅原神社社殿の裏をルートが通っています。
こうして見ると、大型古墳をかすめるラインを意図して選んでいると考えてもよいのではないでしょうか?
太田市教委の小山俊久氏も、「地域を代表する古墳に近接しており、古墳を目標物とした可能性がる」(「上野国の東山道駅路の調査」2014年12月講演資料)とされています。
遥かな古代の景観を想像しながら、設計者の意図に思いをはせるのは、凹道探索の無上の楽しみです。