このブログで「立体微地形図」と呼んでいるのは、国土地理院がインターネット上で配布している高精度な数値標高データを「カシミール3D」で加工したものです。航空レーザー測量に基づくデータですから、衛星写真では樹木に邪魔されて見えない地形を再現することが可能です。しかも、現地探索しなければ確認しようのなかった、詳細な微地形を予め把握することができます。
その威力を改めて知ったのが、トップの図です。高さを3倍強調しています。
前回の屈曲点から北に進んだ直線区間に、道路痕跡がはっきりと見えます。台地上の凹凸地形を切通したり盛土したりして、縦断勾配を平均化している様が、これほど明確に残っていることに驚かされます。実はここ、ものすごい藪の中で、写真でご覧の通り、一見ただの窪地にしか見えません。
想定ルートはこの付近では、稲敷市と牛久市の行政界とも重なっており、駅路の可能性が高い場所です。現地探索の重点ポイントにしていましたが、ハンディGPSで現在位置を確認しながらでもこの地形の全体像をつかむことは出来ませんでした。山城の縄張り図を描かれるような城郭ファンの皆さんであれば違うのでしょうね(苦笑)。
もう一つ気付いたのが、転向点の先に見える盛土のような地形。これってもしかして小さな古墳では?! 一帯に古墳群があったとすれば、それを避けるために前回とりあげた謎の屈曲点が出来てしまったのでは?! と想像は膨らみますが、いばらきデジタルマップでは記載ありませんでした。建設残土ですかね。残念(苦笑)。
さて、次回は、奈良時代の駅路らしい直線ぶりの復活です。