澄んだ空気のおかげで筑波山の双耳峰がよく見えます。ここは土浦市南方の丘陵地帯。JR常磐線に架かる右下の橋の先で、東海道駅路の可能性が高いとされる道路状遺構が見つかっています。
小松貝塚と呼ばれる遺跡で、縄文時代後晩期の遺構とともに、ほぼ南北に走る1号溝、その西に硬化面2面が確認されました。さらに、その下からから見つかった複数のピットの中には、小石や土器片が敷き詰められていたそうです。
このブログの読者の皆さんなら、おそらくこうお考えでしょう。「勿体ぶってないで、目の前の谷に下りる切通しを見せてよ!」。スミマセン、今回は凹道はありません(笑)。でも、もっとスゴイものがあります。
今は、公園となっているこの溜池。谷に堤防を設けて作られたもので、駅路と一体で構築されたものだと考えられています。駅路の敷設は天武朝の列島改造だった、という近江俊秀さんの説を思い出しますね。
大分県薦神社の三角池がまさにそうでした。
明治はじめに作られた迅速測図でもこの通りですから、歴史のある景観であるのは間違いないようです。
堤防跡を渡ると、反対側の段丘崖にも、斜面を巻いて上る道がまだ残されています。もはや廃道化しつつあるようですが、かつての大道の記憶とおもえば、いとおしく感じます。私、変ですか?(笑)
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本シリーズの舞台は、下の図の曾禰(そね)駅周辺です。直線を旨とする駅路が90度ターンするという異例の場所です。
つづく