羅城とは都市をぐるりと囲む大陸風の城壁のこと。古代日本では正門だけが築かれ、羅城門と呼ばれました。芥川龍之介の『羅生門』はまさにここが舞台です。
GWに西海道駅路を歩く計画を立てていたところ、あの大宰府に「羅城」があり築造1350周年事業が開かれている、というのを知ってしまいました。
「7世紀の後半、国際的な緊張関係によって築造された水城(みずき)・大野城(おおのじょう)・基肄城(きいじょう)は、北は玄界灘を望み、南には有明海があり、福岡平野と筑後・佐賀平野をつなぐ要の場所に一体的に造られた防衛施設でした。
これらの要塞に囲まれた中心の盆地には、後に九州を統括する行政府である『大宰府』が成立したため、この山野をつなぐ要塞を中国風に『大宰府羅城』と呼ぶ研究者もいます」
(水城・大野城・基肄城築造1350年記念 史跡散策マップより)
官道痕跡の凹道を探し出しては、古代の景観を想像して悦に行っている私です。古代の要塞跡が残っていると聞いては、放ってはおけません(笑)。結局、三か所すべてを巡って参りました。
まずは、出発点の大宰府政庁跡です。中心域だけでもこの広さで、国府、郡家の部分的な跡しか見たことのない私には衝撃でした。そして、後方には、大野城が築かれた四王寺山が控えています。
逆に、朱雀大路を真っ直ぐ南に下った先には、基肄城がある基山が見えます。
そして、全長1.2kmの城壁・水城。
なんと雄大な景観でしょうか! 全長6,300kmとも言われる全国の駅路と合わせて考えると、古代という時代の持つイメージやスケール感が大きく変わって来ませんか?(笑)
本シリーズでは、古代景観への常識的な先入観を突き壊したい、なんて考えております。よろしければ最後までお付き合いを!